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2008/05/06 (Tue)
「恩田陸 『象と耳鳴り』」
Comments(0) | TrackBack() | 小説
★★★★☆

恩田陸・著 『象と耳鳴り』 2003年 祥伝社文庫



上記画像はamazon.co.jpより転載

恩田陸に珍しい本格推理小説の短編集。
読了してまず感じたことは、恩田陸という作家の才能の偉大さについて。
恩田陸の小説はなんて人の心に響くのだろうか。
日常の何気ない謎を発見し、解き明かすロジックの明快さと美しさ。
短編ではあるが、主人公がだいたい同一人物(元判事)で、相互にリンクする話もある。

また、恩田陸のほかの作品、「六番目の小夜子」や「pazzle」の主人公たちの父親がこの作品の主人公だというのも、ファンにはたまらない。

やはり推理小説は読んでいてなんともいえない期待感がある。
提示されたヒントや複線。読者と探偵役のフェアな立場。ヒントを見逃していた時の悔しさ。
この小説はそれらの要素を短い短編の中にしっかりと組み込みつつ、推理小説にありがちな堅苦しさもない。
この小説を読むと、日々の些細なことを疑ったり、電車の待ち時間などに他人の行動を観察したくなる。
本当に肩を張らずに楽しめる一冊であった。
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