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2009/08/03 (Mon)
「恩田陸 『エンドゲーム・常野物語』」
Comments(0) | TrackBack() | 小説
★★☆☆☆ → ★★★☆☆

恩田陸・著 『エンドゲーム・常野物語』 2009年 講談社



上記画像はamazon.co.jpより転載

恩田陸の名シリーズ(と思っている)『常野物語』の三作目。

一作目は完全に物語りが主軸であり、それこそ著者の得意とする分野だった。
二作目は物語性を維持しつつ少し、時代批判、現代にたいする不安感が盛り込まれていた。
そして三作目である本著は一作目の物語をベースにして、サスペンスとシニカルな風刺を構築したというイメージだ。

話は一作目(短編集)の中の一つの短編に焦点をあてた話。
そういう意味では本著はスピンオフ作品であり、勿論このシリーズ共通の変わった能力を持つ『常野一族』の中の一つの家族の話である。

久々に小説を読んだためか、用事を済ませた後の帰路の途中の銀座線で読み始めたらとまらなくなって読みきってしまった。
きっと『物語』に飢えていたのだろう。
ただ、昔と同じペースで本を読んでいる中でこの本を読んだとしたら、途中で一呼吸置いていたと思う。

サスペンス色が強めというか、常野物語の持ち味である郷愁感を上手く料理しきれなかったのが理由だと思う。
やはり一作目の面白さがずば抜けていたからだろうか。
ただ、著者の文体はとても読みやすく、さすが恩田陸といったところ。
丁寧に、やさしく、それでいてメッセージを巧みに著している。

まぁ、悪い本と言うわけではないが、著者の本の中では普通すぎるかなという意味で★二つ。

追記:全体的に抽象的だった。
その抽象さをあれだけ巧く著したのはすごい。
創作の良い勉強になった。
ということで★三つに。
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